• メンテナンス

フルアジャスタブルサスを調整してみる【MT-09SP】

社長 河野
更新日

自分でサスを【味付け】してみる

使わない機能ナンバー1?

MT-09SP(やR1、R6のようなスーパースポーツ)にはサスペンションを調整する機能がついています。

なかなか高性能なものが最初から装備されているのです。

でも、調整したことのない、あるいは調整できる部分の存在すら意識しないという方も多いのではないでしょうか。

でもせっかくついているのならば、利用しないのはもったいない。そこで今日はそんな調整式サスペンションをさわってみませんか、というご紹介です。どうぞ。

同じバイクでも【好み】は人それぞれ

ちょっと変えるだけでも楽しくなる

そのまま乗っていても特に不具合なく走れるもの、それくらい今のバイクはよくできています。

でも自分が求める方向性がうまく出せると、もう一歩限界を高めることができたり、逆に緩く乗りたい方には作動性を引き出して乗り心地をよくしたり、といったことができるのがサスセッテイングです。

どっしり安定感があるほうが好きな人、クイックに機動力があるほうが好きな人。

ゴツゴツしていても踏ん張りがあるのが好きな人もいれば、地面の衝撃をなにひとつ伝えないほど動きがスムースなのが好きという人もいるでしょう。

自分好みに少し変えるだけでもバイクが馴染むようになって楽しく走れますよ。

すべてのセッテイングの基本【わからなくなったら戻せ】

モトクロスの教え

細かいギャップの処理から30Mを超えるジャンプまで幅広くカバーするモトクロスのサスペンションは、実は数あるバイクの中でも機能が幅広く高価なものが標準装備されています。

そんなモトクロスのセッテイングの教えに「わからなくなったら戻せ」というのがあります。

たとえばダイヤルをまわすとコツンと手ごたえがありますが、それを「1ノッチ」といいます。(※手ごたえなく何回転回ったかで判断するものも中にはあり)

それを何回回したかでどれくらい硬くする、あるいは柔くするといったことを変化させるのです。

【わからなくなる】ことはよく起こる

結果なにもしないほうがよいということも

だから何ノッチどちらにまわしたのか(いっぱいに締めてから何回転戻しなど)を、ノートなどにちゃんと記録しておけば、逆に回せばもとにもどります。(※サービスマニュアルには基本位置の記載もあります)

・・というのも、あちこちいじっているうちにいいか悪いかよくわからなくなることがよくあります。

そんなときも最初のスタートラインにもどせればやりなおすことができる、だから迷ったらもどせなのです。

バイクの【姿勢】で性格が変化

どこまでねじこんだかで姿勢が変わる

イニシャル調整はフロントサスの上側に筒状の突起があり、横にはメモリ線があります。

これはスプリングを押し縮めることで反発力を出し、サスペンションの高さを出すことでバイクの姿勢を変えることができます。

ちなみにMT-09SPは、リアはこの黒いダイヤル。工具なしにできます。理屈はフロントと同じです。

【前下がり】か【前上がり】か

キャスター角などの変化で激変

例えば性能度外視で足つきをよくしたいのであれば、これらを最大限緩めてあげれば足つきはよくなります。

(スプリング自体のバネレートはかわらないので、沈みこんださきの硬さに変化はありません。)

姿勢が前下がり(前をゆるめ後ろをかためる)になればキャスターがたつのでコーナーリングがクイックに、

前上がり(前をかため後ろを緩める)にすると直進性がよくなります。どちらが好みかであわせてあげるとよいと思います。

またMT09SPでなくとも、リアサスには体重にあわせて調整するためのプリロードアジャスターが装備されているバイクが多いので、幅はそこまで広くないにしろ同様な方向性の調整はできるはずです。

【ダンパー調整】とは

ダンパーは抵抗をかけて動きを落ち着かせる作用があります。しかしスプリングのように車体の重さを支えるわけではありません。

水鉄砲をおすときの抵抗やトレーニングジムで油圧のマシンを想像するとわかりやすいでしょうか。

締めこんだ(かたい)時の傾向

ダイヤルを締めこむ(右)とかたくなりゴツゴツしたフィーリングになりますが、走るペースが速い人には無駄に動き(ピッチング)すぎず快適です。

緩めた(やわい)時の傾向

緩める(左)とやわくなり、ふわふわしたフィーリングになります。走るペースが遅い人には凸凹の吸収がよくなり、コーナーで曲がるきっかけがつかみやすくなります。

ちなみに初心者の人が大型バイクに乗った場合は緩めると乗り心地がよく感じる傾向にあります。また新車のときには動きがまだ渋いので少し緩めるとよいかもしれません。

ダンパーには【圧側】と【伸側】がある

ダンパーには圧と伸びがあります。フロントフォークなら上側にあるマイナスドライバーの調整(青)が伸び(TEN)、

下部にあるダイヤル(金)が圧(COM)です。

リアはリザーバータンクの前部(黒)にあるのが圧側(COM)、

サス本体の下部にあるのが伸び(TEN)です。

ちなみに一般的なサスでは伸びは伸びだけでなく、圧側にも効きます。伸びを固めると圧も固くなり、緩めると両方弱くなります。

圧側アジャスターは伸びの調整により変化した分を補正する役目も負いますがもちろん圧側だけ固くしたい場合も関係します。

好みを知るには極端なことも試す

いろいろ試して情報をまとめておく

自分にとってどういう調整がベストか知るのなら、硬い柔いにおいて極端にふってみるのを体験するのもおすすめです。

柔いほうが好きなのか、硬いほうがいいのか、体感することで見えてくることもあるかもしれません。

最初にノートに調整を記録さえしておけば、元に戻すことは簡単にできますから、いじることに躊躇することもありません。

調整するときの注意点

自分のバイクの可能性を探ってみる

またフロントフォークのイニシャルや圧側ダンパーにはアルマイトが施されています。レンチをそのままかけるとキズになることがあるのでビニールなどで保護してからするとよいと思います。

また極端な調整変更した場合、バイクがおもわぬ挙動を示すこともあります。そこで転倒したりしないように十分注意をしてお楽しみください。

せっかくついている調整をうまく生かしてバイクの新しい可能性を探ってみるのも一興。MT-09SPならそんな楽しみが最初から装備されていますよ!